面白い!コレ。著者も本の中で語っているのだが、これは思考実験の書で「自由と民主主義」が、実は日本人が無意識に信奉している日本的モラリズム、すなわち「世間さま制」と決定的なミスマッチを起こしている - つまり、日本人には「自由と民主主義」の制度が相応しくない可能性について述べている。日本の社会や政治で起こっている事々が、なぜそうなっているのかを、普段我々が普通には意識しない(できない)視点から観察することにより、ありありと決定的(と考えられる)原因をあぶり出してくれる書だ。
日本相撲協会と朝青龍の件とか、結構考えさせられてしまった。俺も朝青龍のこと「ケシカラン(これ、同書の中のキーワードのひとつ)」と思っちゃっていたもんね。
伊沢元彦の「逆説の日本史」シリーズと共に、日本人が日本人のことを理解する為の必読書である。