DIsk Unionを渉猟していたときにはついに巡り会う事がなかったセシル・テイラーの「Akisakila」、いつのまにかiTunes Store上で販売されていたので直ぐにポチっ。パット・メセニーのギターシンセにすら拒否反応を示す妻の居る家の中では、セシル・テイラーなどとてもスピーカーで音を出す事は出来ぬため専らヘッドホン鑑賞である。それにしても、これだけフリージャズ中でも最もフリー的な演奏であるにも係わらず、その音の洪水のなかに何故か構成美を感じてしまう。実は正当なクラシックピアノから始めクラシックの演奏はそもそも無茶苦茶上手かったセシル・テイラーらしいので、そのクラシックの西洋的なもの(=構成/調性)のアンチテーゼとしてのジャズであり、行き着く一つの形態としてのフリージャズでありながら、どこかやはり非常にdisciplineというか、かっちりコントロールされて出てくる音なのじゃなかろうかと思う。
それにしても、初めて聴いたときには「何じゃぁこりゃ」であったセシル・テイラーも一度聴き馴染むと、結構心地よい。何というか、激しいギミックのあるジェット噴流ジャグジーに浸かっているような感じ?
でも100人いたら最低でも97人くらいからは拒否られる自信あるので絶対に一般的にはオススメしないけどねw。